会社にとって「男の育休」にメリットはあるのか

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こんにちは!子育てブロガーのIChi@です。

三人目の子どもが生まれて育児休業を取得してブログを書いています。

今回は「会社にとっての男の育休取得のメリット」について考えたいと思います。

優秀な社員に休まれたらデメリットしかないよ。

休まれたら仕事が負担が増えて困るだけだなぁ

なんて意見が多そうですが、長い目でみるとまったく逆です。

育休を取らせることは会社側にも大きなメリットがあります

育休を取ろうかどうか迷っている男性の方に是非、読んで欲しいです。

この記事でわかること
  • 会社にとっての育休のメリット
  • 育休を取らせる会社と取らせない会社の違い
  • 私が育休を申請した際のこと

男性社員に育休を取らせるメリットはあるか

ここ数年「女性の社会進出」や「仕事と家庭の両立」といったニュースが特に増えてきました

皆さん、ご存じのとおり日本は出生率は改善の見込みがなく、年々出生数は低下してどんどん人口が減少していくことが予想されています。
↑改善の兆しは一向にありません

図表1-1-7 出生数、合計特殊出生率の推移(図)
出典:厚生労働省(出生数、合計特殊出生率の推移)

人口はその国の経済力に直決します。インドや中国の経済成長がその典型ですね。

最近はこれを少しでも改善するため、子どもを産みやすい社会、子どもを育てやすい社会を目指して出産に伴う休暇や給付金制度を改善したり、国を挙げて次々と手を打っていますね。

育休制度についてはコチラから▼

日本に限らず、先進国の多くは男性の育児参加について前向きな取り組みをしています。

実際、日本の育児制度は充実が進んできているものの、活用の実態は他の先進国と比べてもまだまだです。これから育休を取りやすくする会社とそうでない会社でどういった差が出てくるか見てみましょう。

育休を取らせない会社

育休を取らせない会社の最大のデメリットは「社員の離職」です。

うちの会社は福利厚生に力を入れており、休暇制度も充実しています。

なんて説明を受けて入社したものの、実態は休みなんて全然とれる雰囲気でないということもよく聞きます。育休取得率は100%なのに取得実績は9割が5日なんて会社もあります。
↑詐欺みたいなものですね。

制度は確かに充実してきているかもしれませんが、実態は活用されていないというところが多いのではないかと思います。

今や男女ともに転職経験は5割を超えており、転職するのは当たり前となりつつあります。

そして転職先に求めるものとして「福利厚生」や「子育てのしやすさ」をあげる方が増えています。特に若い世代ほど子育てへの参加のしやすさに関心があるようです。

休暇制度があるのに活用できない。

十分な子育て支援ができない。

というのは十分に転職の動機となります。

社員がやめることのデメリットはとても大きいです。

社員の離職によるデメリット
  • 新しい人材を採用するためのコスト
  • 採用した人材を教育するコスト
  • 適した人材確保が困難
  • 退職者の穴埋めがされるまでの社員の負担 など

また、離職率が高いと良い人材を確保することも難しくなり、どんどん会社が苦しくなるといった悪循環となる可能性があります

育休を取らせないことで一時的には周囲の負担が増えないことなどのメリットもたしかにありますが、退職されてしまった場合のデメリットの方がはるかに大きいです。

優秀な人が集まる会社

一方で社員の満足度の高い会社は社員の定着率が高くなります。
↑当たり前ですね

「定着率が高い」メリットは優秀な人材が流出しない、退社された場合のコストがかからないというだけでありません。

優秀な人材がいる会社には優秀な人材が集まりやすくなります。

優秀な人材が集まればおのずと会社の業績はよくなりますし、さらに優秀な人材が集まりやすくなります。

↑たまごが先かニワトリが先かですが、いずれにしても好循環が生まれます。

人材獲得に向けたアプローチにも

当然ながら、会社に何を求めるかは人それぞれであり、給与や経験、キャリアアップに満足度を求める方はいますので一因でしかありません。

しかし、世界の流れとしてこれから男性の育休が当たり前となっていく中で「育休を取れない会社」として取り残されることは会社として決して望ましいことではないはずです。

男性の育休取得が十分に定着していない今であれば、育休が取得しやすい職場というのは採用において子育てに関心がある人材にとって魅力的な的な候補となりえます。

たとえば、男性の育休取得実績が豊富であれば、育休取得実績が少ない会社に比べて多様な働き方を認めてくれるというイメージが付き、採用においてアピールできるポイントとなります。

良い会社というのは、社員が「この会社で働きたい」と思える会社だと思います。

「社員がどんどん離職して入れ替わる会社」や「やめたいけど転職もできないから今の会社にいるという社員が多い会社」で良い成果が出せるはずがありません。

事業者が今からはじめるべき育休対策

育児と介護の支援制度を定めた育児・介護休業法の改正法が、2021年6月3日、国会で成立しました。事業者側も育休取得を促進するため、以下の措置が必要になります。

  • 制度の周知、意向確認の義務付け
  • 新制度では、育休取得者に対して、育児休業等の制度を説明し、取得の意向を個別に確認することが事業主の義務となります。(2022年4月~)
  • 育休取得状況の公表義務付け
  • 従業員が1000人超の大企業では、男性の育休取得率の公表が義務付けらます。(2023年4月~)

大企業からスタートですが、制度が広がれば中小企業にも拡大することでしょう。

早いうちから準備しておくことが大切です。

事業者側の金銭的負担

男性社員の育休取得を聞いたベテラン社員から

お金をもらいながら休めるらしいなんて「給料泥棒」じゃないか。

と言われたというエピソードをSNSで見たことがありますが、これは大きな誤解です。

社員に育休を取らせても事業者側に金銭的な負担はほとんどありません

  • 育児休業給付金は雇用保険から出される
  • 育休中は社会保険料がかからない
  • 子育てパパ支援助成金で、最大67万円が国から事業者に支給される

育休中は就労がなければ、給与の支払いはありません。また、育休中に出る育児休業給付金は、給料から天引きされている雇用保険から捻出されています。

月々会社が国に支払っている社会保険料も育休中は免除されます。

したがって、社員が育休を取得すると事業者から出ていくお金はむしろ減ります。

育児休業給付金についてはコチラから▼

さらに、子育てパパ支援助成金という制度もあります。

男性労働者が育児休業や育児目的休暇を取得しやすい職場風土作りに取り組み、子の出生後8週間以内に開始する連続14日以上(中小企業は連続5日以上)の育児休業等を取得した男性労働者が生じた事業主に助成する制度です。

一定の条件を満たすと最大67万を国から助成金がでます。

※詳細は、厚生労働省HPの資料(PDF)をご参照ください。

つまり、男性社員が育休をとっても、会社には金銭的な負担はほとんどないし、むしろ助成金がもらえる可能性がある(プラスにもなりえる)ってことです。

私が育休を申請した時

私は三人目の子どもが生まれて育児休業を取得しました。

私の会社も決して育休取得状況は良くないため、育休取得を申し出ることは少し勇気が必要でした。

少し嫌な顔をされるかもと不安もありました。

しかし、実際のところ私が会社に育休の希望を伝えた際の上司の反応は

「おめでとう!しっかり家族を支えなさい。」

という反応でした。

意外なほどあっさり、そしてしっかり背中を押してもらいました

良い会社、良い上司に恵まれたなぁ

育休が終わったら復帰して「またこの会社で背中を押してくれた上司と仕事したい」と心から思いました。

あなたの部下が育休を希望したら

あなたの部下が育休を取りたいと言ってきた場合、あなたはどうしますか?

会社に育休を申し出するからには真剣に考えた末の決断だと思います。想像がつくと思いますが、まだまだ育休取得を申し出るのは勇気がいります。

もしあなたの部下が育休を取りたいと言ってきたら

必ず相談に乗ってあげましょう!

結果的にその人が育休を取らなかったとしても真摯に相談にのってあげればその部下は必ず良い仕事をしてくれます。そして次に育休取得を希望する人が必ず現れます。

ちなみ「育児・介護休業法」で

  • 育児休業の申出・取得による不利益な取扱いを禁止
  • 休業取得に伴うハラスメントが発生しないように対策を会社に義務付け

されています。

事業者側の都合によりまとまった育休を取らせることが難しい場合でもしっかり相談にのってあげることが肝要です。

【まとめ】良い会社には育休が必要

このように事業者側から考えてみても

  • 男の育休取得は世の中の流れであり、前向きに進んでいる
  • 育休を取らせない会社からは人が離れる
  • 良い会社に優秀な人材が集まる

といったように計画的に育休を取ってもらい復帰してもらった方がメリットは大きいです

↑突然、転職されたら大変ですよ。

社員から育休取得の申請があったらしっかり相談して計画的に取得させましょう。

将来、男性の育休取得が当たり前になる時代がきっときます。

しかし、あなたが育休を取れるチャンスは今しかないですよ。

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